大人向けのおすすめ恋愛小説5選!文字の世界で締めつけられるような恋を!

手軽に気分転換したいけど、あんまり時間がない…。

新しい何かを始めたいけど、お金は掛けたくない…。

そんな方におすすめなのが読書。

趣味として定番の読書、今更?と思われるかもしれませんね。

でも今は重い本を持ち歩かなくても手軽に、気軽に携帯でも楽しめる時代です。

今回は通勤の合間に、家事の合間におすすめの恋愛小説を5冊セレクトしてご案内します。

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酸いも甘いも噛み分けた大人の恋愛小説3冊!

甘酸っぱいのも切ないのも好きだけど、恋も女もそれだけじゃない。

大人になったからこそ受け入れられる恋愛の形や表現が読みたい、という方におすすめの3冊です。

『恋愛中毒』山本 文緒

第20回吉川英治文学新人賞を受賞した、山本文緒の作品です

井口は女性関係につまづいて大手出版社をやめ、編集プロダクションで働いていた。

その編集プロダクションには、アルバイトで事務をしている水無月という中年の女性がいた。

ある日、井口はひょんなことから水無月の過去を知ることになってしまう。

過去に結婚していて、離婚。

創路という作家に出会い、誘われて体を許し、そして愛人に。

でも創路には水無月の他に3人の愛人がいて…。

前の夫と別れる時に、水無月は「もう2度と人を好きにならない」と誓っていたのですが、なんとも言えない魅力をもった創路を本気で好きになってしまいます。

運転手役の水無月以外の3人の愛人は、事務所の留守番役だったり、高校生のアイドルだったり、銀座のママだったり。

水無月に創路と付き合うアドバイスをくれるのですが、創路が好きな水無月は受け入れるどころか彼女達を排除することを考えて実行してしまいます。

愛人なので当然、正妻もちゃんといるのですが、目いっぱいに創路に愛されようとする、自分だけのものにしようとする水無月。

たまに異常に思える行動もありますが、それは客観的に読んでいる立場だからで、恋をして周りが見えていない時って確かにこんな感じかもしれません。

好きで好きで仕方ない水無月の出した結論を、どう受け止めるか。

痛々しいけれど嘲笑はできない、胸がひりひりする作品です。

『よるのふくらみ』窪 美澄

2009年、「女による女のためのR‐18文学賞」で大賞を受賞しデビューした窪 美澄の作品。

文房具屋の娘みひろ、酒屋の息子圭祐と裕太の兄弟は、同じ商店街で育った幼なじみの間柄。

圭佑と裕太は2人ともみひろに恋心を抱いていたけれど、結ばれたのは兄の圭佑だった。

同棲をしてこのまま結婚へ向かう予定の2人にある問題はセックスレス。

それでも、と結婚へ歩を進めてみたものの…。

物語は一人称ですが、3人の視点から描かれています。

それぞれが主観で語るから、立場の違いでこんなに受ける印象は変わるんだな、と度々思わされることも。

みひろの家庭にも圭佑達の家庭にも影があって、それ故に性を軸にして行われる恋愛に振り回される自分達に嫌悪感を抱いています。

優等生気質の圭佑の心の傷が、自らを縛っているような場面も見え隠れします。

癒えない傷というのは、鈍い痛みなのでしょう。

みひろが求めているものは子供なのか、それとも…。

それぞれの葛藤を描きながら進む話は、胸が疼くような感触です。

文体のおかげか、読後はそれほど重くないのが救い。

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『蜜月』小池 真理子

1996年に『恋』で直木賞、1998年には『欲望』で島清恋愛文学賞を受賞した小池真理子の作品。

天才洋画家として知られた辻堂環が心不全で死亡。

訃報を受け取った恭子、弥生、杳子、志保子、千里、美和子は全員、過去に辻堂との関係を持った女達だ。

それぞれに、辻堂との過去を思い出す女達。

辻堂とは、一体どんな男だったのか…。

辻堂に関わったのは10代から40代までの女性。

女子高生から父親の愛人まで、さまざまな立場の女性に手を出していて、その付き合いぶりには「普通」とは呼べないであろうものも。

それぞれの短編から描き出されて「辻堂」が出来上がっていく様子には読み応えがあります。

時代にもてはやされ華やかな場所に身を置く美しい辻堂が本当に求めていたのは、意外と陳腐なものだったのではないか、と思うと少しさびしい。

女性の包容力や優しさ、深い情愛を感じる一冊です。

文豪の名作ならこの一冊

『春琴抄』谷崎 潤一郎

文豪、谷崎潤一郎の代表作とも呼ばれる一冊。

9歳の時に失明した春琴は、琴曲の名手として知られている。

盲目ながら美貌を持ち素晴らしい腕を持っていたが、一方で高慢でわがままな性格でもあった。

そんな春琴に、世話役として佐助がつく。

当然のように春琴は佐助にきつく当たるが、佐助はそれでも一途に春琴に仕え続ける。

師匠と弟子、主人と世話役として2人の仲は深まっていく。

しかしそんな最中、春琴が顔に火傷を負う事件が起きる…。

谷崎はマゾヒズムの世界を耽美に描き上げる作家として有名です。

この『春琴抄』も例に漏れず、佐助の献身という形で表現されています。

罵倒されようと強かに打たれようと、ただひたすらに春琴を思い仕え続ける佐助。

最後の決断は、共に過ごした春琴だからこそ受け止められたのでは。

愛情の形は1つではなく、1つでなくてはならないこともない、ということを改めて感じさせられる一冊です。

谷崎の作品は『春琴抄』に限らず、日本語ってこんなに美しかったんだ、と思わせてくれます。

日本語の美しさ、表現の繊細さを心ゆくまで味わいたい方にもおすすめします。

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海外文学からはこの一冊

『サロメ』ワイルド

フランスのオスカー・ワイルドの戯曲。

ユダヤ王エロドは、兄である前王を殺害し今の座に就いた。

妃の娘であるサロメに惹かれているが、サロメは嫌悪していた。

一方、エロド王の所業を断罪した預言者のヨカナーンはその怒りに触れ、幽閉されていた。

それを知ったサロメはヨカナーンへ会いたくなり、見張り番をかどわかして彼に会う。

しかし一目で恋に落ちてしまったサロメをヨカナーンは拒む。

サロメは、ヨカナーンに必ず口づけすると誓うのだが…。

この話は戯曲なので、地の文が少なく会話で話が進んでいきます。

短い話ですし、地の文が多い話は苦手という方でも読みやすい一冊ではあります。

ただ話の内容はサロメの狂気とも言える愛の形が描かれているので、結末を含めても「とっつきやすい」とは言えないかもしれません。

大人でなければ読み解けない一冊です。

今回の紹介は福田恒存訳の岩波版に基づいていますが、光文社からは平野啓一郎が訳した『サロメ』も出ています。

こちらは宮本亜門の舞台化原作ともなった一冊なので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

文字の世界で締めつけられるような恋を!

不倫や浮気、嫉妬や略奪…他にも恋の中にはさまざまな感情や事件が渦巻いています。

実際に体験するのは大変ですが、読書でならどんな危険な恋でも簡単に味わえてしまうのがいいところ。

今回は大人の女性にぜひ読んでいただきたい恋愛小説を5冊、ご案内しました。

心に刺さる本はありましたか?

この他にも、恋を描いた素晴らしい作品はたくさんあります。

ぜひ自分の胸を締めつける、お気に入りの1冊を見つけてくださいね!

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