出産を期に、法律で定められた産前産後休暇と合わせて育児休業を取得するのは女性がほとんどではないかと思います。
なぜ女性が取るのか。
女性はお母さんだから育児のための休暇は当たり前なのか。
男性はお父さんなのに育児のための休暇は当たり前じゃないのか。
育児休業とは何を指すのか、取得することでのメリットは当然あれど、同じか、もしかしたらそれ以上のデメリットが待っているのではないか・・・。
これから出産を控えるご夫婦だけでなく、その可能性がある社員を雇用する会社、社会全体で考えていかねばならない問題です。
まずは育児休業とは何なのか、ということから考えていきましょう。
Contents
育児休業と育児休暇
育児をするために取得するお休みについて、一文字違うだけのこの二つの言葉にはちゃんとした違いがありました。
間違えたからお休みをもらえなかったなんてことはないと思いますが、せっかくなので違いを知っておきましょう。
育児休業
私たちが考えている「育休」と省略されているものがこの、育児休業です。
法律に基づいて取得できるお休みで、定められた条件を満たすことで「育児休業給付金」が支給されます。
支給されるところは勤務先によって異なり、民間企業に勤務されている方ですと雇用保険から、公務員の方などは共済より支払われます。
きちんと会社を通して申請をすることで、社会保険料の免除制度もあります。
育児休暇
一方こちらは、法律などは関係なく、企業や団体ごとに定められた休暇制度のことです。
休暇を取って育児をする、ということですね。
給付金等もありません。
男性が育児休業を取得する3つのメリットとは
男性が育児休業を取得するメリットととして、どのようなことが挙げられるのでしょうか?
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育児休業給付金がもらえる
お仕事を休業して育児に専念することで、前述した社会保険料の免除が受けられ、育児休業給付金を受けることができます。
これは男性だからというわけではなく、女性の場合も同じですね。
子供の成長を目の前で日々感じられる
子供の成長を目の前で日々感じられる、触れ合う機会が断然多くなることです。
育児休業を取得しなかったら、朝出勤するときも夜帰宅するときも寝ているかもしれない。
勿論寝顔も可愛いですが、赤ちゃんの表情も毎日成長して変化していきます。
パパって言った!初めて寝返りを打った!手づかみで自分で食べている!歩いたーーー!
など、接する機会が増えることでその喜びに直面するチャンスも断然増えていきます。
ずっと一緒にいられる時間は一時で、その瞬間もあっという間に過ぎていきます。
休業して良かったと心から思える時ではないのでしょうか。
母親と育児の分担ができる
もし母乳育児ならばその時間は変わりができません。その間に自分たちの食事の用意をすることができます。
ミルクが必要なら、朝から真夜中でも3時間おきに「ちょーだい」と泣く我が子に用意してあげなくてはなりません。
ガーゼや服の洗濯物は毎日大量、使用済みオムツも大量、危険なものは全て高いところにしまい、どこへくにも抱っこにおんぶ、ベビーカーに寝てくれずに抱えながらお買い物。
妻からしたら、毎日お仕事を頑張って疲れて帰ってくる夫に、家のことも手伝ってとはなかなか言い出せずに抱えてしまうこともあると思うのです。
夫からしたら、ずっと家にいるんだからやってくれよと思うこともあるかもしれないのです。
毎日の育児は、実際に関わってみないとその大変さは本当にわかりかねますし、計り知れません。
それを肌で感じて成長を見守ることができ、母親の大変さも理解できる育児休業という機会は、可能であれば積極的に活用していきたい制度ですし、是非楽しんでほしいなと思います。
男性が育児休業を取得する4つのデメリットとは
男性が育児休業したらどうなるか。
日本国内において、少しずつではあるけれど浸透しつつある動きではあると思うのです。
ですが、現状はまだまだ厳しい道のりが待っていることが想定されることも事実。
起こりうるデメリットな部分はどんなことがあるのでしょう。
育児休業を取得した実績がないと苦労する
法律で定められているのだから、取得するのは当然の権利だと主張したくなります。
ですが、過去に男性社員の取得実績がない場合、申請してその事実を受け入れてもらうまでにも一苦労も二苦労もしなくてはならないことがあります。
キャリアに傷がつく??
例えばあなたが順調に昇進していて、次のポジションに手が届こうとしている時だったらどうでしょう。
そして、もしライバルがいたとしたら、先を越される可能性は出てきますね。
このまま勤めていたら・・という考えは浮かぶかもしれません。
家計に影響が出る
育児のためにお仕事は休業していても、生活していかなければなりません。
そのために育児給付金というものが支給されて、家計の足しにできる制度があるわけなのですが。
その額は実に、通常勤務していたころの約半分となってしまうわけです。
夫婦そろって育児休業を取得している場合、2人共今までのお給料の半分程度になってしまうわけですからそこは切実な問題になってきます。 スポンサーリンク
やはり不安なのは、復帰後の立場
大企業になればなるほど、支店や部署も多くなりますね。
これは女性の育児休業復帰の際にもよく聞く話ですが、転籍、転勤になる可能性というのは覚悟しておいた方がいいかもしれません。
当人としては1年ぶりの職場復帰に加えて、1歳の子供を保育園に預けるための時短勤務を余儀なくされるとあれば、やはり慣れた人たちと慣れた仕事をしたいというのが本音のはずです。
ですが、じゃあ休みの間は誰がその仕事をするのか?となり円滑に進めるために異動等が行われると、今度はそのメンバーでプロジェクトも進行していくというもの。
その場合、育児休業から復帰した人は他の部署へ・・というのは自然な流れになってくるのかもしれません。
それならそれで、新たな部署で初心に戻って頑張ればいいと前向きに捉えることができればいいのですが、本人からしたら複雑な心境になるかもしれませんね。
私の知人は、休業前は自宅から30分程度の距離に勤務していました。
それが一年の育児休業を終えて復帰するときには、自宅から1時間30分もかかる支店に転勤させられてしまったのです。
往復で3時間。そうでなくても時短勤務。なかなかの試練だったようです。
ですがそこはもう前向きにいくしかないと、車内では好きな音楽をかけて大声で何度も歌いながら、1人で過ごす通勤時間を謳歌していました。
まとめ
デメリットを読むと、一家の大黒柱としては躊躇してしまうかもしれません。
それならばあなたは外で頑張ってきて、私は家を守るからとう奥様もきっといらっしゃることでしょう。
ですが、会社は変わりが見つかるかもしれませんが、我が子とのかけがえのない時間の共有は二度とできません。
奥様やご両親、ご近所さんなど、協力しあって育児はしていくものです。
よく話し合い、職場の方との円滑なコミュニケーションを欠かさず、今の自分たちにとって最良の方法を選択していけたらいいのではないかと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。